佐々木医院通信2011年秋号

今年ほど天災に襲われた年はありません。被災された方々には早く元気になっていただきたいものです。原子力発電所が如何に脆弱であるかも改めて知るはめになりました。想定外とはいうもののあってはならない事故でした。一刻も早く除染されることを願うばかりです。
秋から増える病気
気管支喘息
子供の時から罹る方がほとんどですが、大人になってから罹る人もいます。アレルギー症状の一種と考えられています。秋に増える理由はアレルギーの原因のアレルゲン(例えば家ダニ、ハウスダスト、秋の草花)が増えること。風邪などの感染症に罹りやすくなるためと言われています。吸入薬が治療の基本となりますが、飲み薬だけで治まる場合もあります。
秋の花粉症
春のスギ、ヒノキの花粉に変わり、秋にはぶたくさやセイタカアワダチ草の花
(花粉ではなく)でアレルギーを起こし、鼻炎、結膜炎になります。
治療は花粉症と同じで抗アレルギー剤を用います。
予防接種
ヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチン
いずれも重篤な肺炎をおこす病原菌に対するワクチンです。
生後2カ月から5歳未満の方は無料で受けられます。年齢によって受けるワクチンの注射の回数が異なります。
子宮頚がんワクチン
子宮頚部のがんはウィルスの感染によるものであることが解明され、欧米ではすでに広く行われています。日本でも遅ればせながらワクチン接種が始まりました。2つのウィルスに効くサーバリックスと最近売り出した4つのウィルスに効くガーダシルの2種類があります。6か月に3回注射が必要で、今のところ来年3月までが無料接種期間なので早めに注射を済ますようにしましょう。
無料対象は中学1年から高校1年までです。高校2年生以上は有料になります。
インフルエンザ予防接種
10月初旬からインフルエンザ予防接種を開始します。今回も予防接種は季節型と新型の数種類の株が入っています。値段についてはまだ決まっておりませんが従来とあまり変わらないと思います。今年も予約を取らず、受付順に接種いたしますのでご了承ください。また、今年は震災等の影響でインフルエンザワクチンの量が昨年より少なくなっています。早めの接種をお願いします。ご不明な点は受付けにご相談ください。
佐々木医院通信2010年春号

まだまだ寒暖の差が激しく、和やかな春とは言えませんが如何お過ごしでしょうか。新型インフルエンザの嵐も漸く沈静化してきました。ただし、ノロウィルスを代表とする感染性胃腸炎や花粉症が大分でてきています。早めの受診をお薦めします。
のどの痛み、扁桃腺炎について
ウィルスによるものもありますが、多くは細菌感染によるものです。厄介なのはA型レンサ球菌による感染で高熱を発します。扁桃腺が白っぽくなるのが特徴で放置すると重症腎炎やリウマチ熱を起こします。1週間の抗生物質投与が必要です。外来での簡易な検査で診断できます。
リウマチ熱とは?
俗に言う関節リウマチとは別物で、急性期は発熱や関節炎ですが、最終的には心臓を侵し弁膜症になる病気です。10歳前後の小児に発症し、5歳以下は罹らないのが普通です。A型レンサ球菌感染で起こすので早めの診断、治療が必要です。
感染性胃腸炎について
ウィルスや細菌感染により腹痛、下痢、嘔吐を起こす病気です。冬場に多く発症し、現在この近辺でも多くの患者さんが診察にみられます。ウィルス感染、特にノロウィルス感染が顕著です。吐いた物が乾いて空気中にウィルスが散乱し、それを吸い込むだけでも感染します。薬の服用で治りますが、下痢の治りが悪い場合もあります。食事が取れないときは、点滴をします。
子宮頚がんワクチンについて
子宮頚がんはほとんどHPVウィルス(ヒトパピローマウィルス)感染によって長い潜伏期を経て発症します。感染は性的感染なので若い女性にワクチンを接種する必要があります。一度感染してしまうとワクチンの効果はありません。
欧米ではすでに接種されていますが、日本では最近やっと厚生労働省の承認を受けました。
問)何歳の時に接種すればよいですか?
答)10代が理想的です。はっきり何歳児にするというものではありません。
20歳すぎでも遅すぎることはありません。
問)何回、接種するのですか?
答)1回接種した後、2回目がその1ヶ月後、3回目がその6ヶ月後です。
多少の日時のずれは問題ありません。
問)費用はどのくらいですか?
答)当院では1回につき1万5千750円です。世界の100カ国以上の国で接種されていて、公費で賄う国もありますが、日本ではまだほとんど自費扱いです。
問)接種後の副作用はありますか?
答)世界各国の報告でも重症となる副作用はなく、安全なワクチンと考えてよいと思います。
本年4月から医療費の改定があります。今回は病院では診療代が上がって、診療所は下がる予定です。治療法により多少の上がり下がりがあります。4月になってみないとわからない点もあり、4月以降診療代のご不明なところがあれば受け付けにご相談ください。
佐々木医院通信2009年秋号

再び新型インフルエンザが猛威を奮っています。ただ、あまりに恐れるほどの毒性はないと思われます。通常のインフルエンザと考えてよいようです。また、新型インフルエンザの予防注射も目途が立っていません。それに伴い、従来のインフルエンザの予防注射もどのくらい供給されるかもわかっていません。わかりしだい受付等でご説明いたしますが今回、インフルエンザの予約はしない方針といたします。今の状況から判断すると予約しても実際少量しか入荷せず、なくなってしまう可能性があるからです。
検査のキットが不足してきましたので、微熱程度では検査をお断りする場合もあります。ご了承ください。インフルエンザ対策の基本でもある手洗い、うがいは進んで行ってください。
コレステロールについて
従来の血液検査では総コレステロールの値で評価していましたが、最近は悪玉コレステロールのLDLコレステロールと善玉のHDLコレステロールが重要視されています。LDLコレステロールは血管内に貼りつき、動脈硬化を促進させます。HDLコレステロールは反対に貼りついたコレステロールを取り除き動脈硬化を抑制します。LDLコレステロールは少なく、HDLコレステロールは多くなればいいわけです。LDLコレステロールをHDLコレステロールで割り算し1,5以下になれば動脈硬化の心配はありません(動脈硬化は血管壁を細くし、最終的には動脈閉塞、いわゆる梗塞をおこします。つまり、心筋梗塞、脳梗塞の原因です)。
当院では動脈硬化の度合いを測定する検査ができます。5分程度で検査は終わります。お気軽にお申し出ください。
乳腺、甲状腺外来
乳腺の病気、特にがんは日本の女性にとって今や一番多くかかるがんとなりました。40歳代からかかりやすいのですが、40歳以下の女性でもできる場合があります。40歳以上の方は横須賀市の乳がん検診を受けられますが、それ以外の方で乳腺に異常を感じた場合、躊躇なく診察を受けてください。早期発見すれば完治するので、できるだけ早い診断が肝心です。
甲状腺の病気について。甲状腺がんはほとんどがゆっくり進行します。甲状腺はのどぼとけの下方にあり、普通は触ってもよくわからないと思います。のどに常に違和感があったり、のどにしこりがあったら早めに診察を受けましょう。また、甲状腺はホルモンを出す組織ですのでいろいろな良性の病気もあります。有名な良性の病気としてバセドウ病があります。脈が速くなり、汗をかきやすくなり、しまいには目が出っ張ってきます。反対に橋本病といってホルモンが出なくなる病気もあります。
最近のトピックス
川崎病について
全国的に川崎病という小児の病気がはやってきました。4歳以下、特に1歳前後にかかる原因不明の病気です。発熱、湿疹、粘膜の発赤(くちびるや舌や目)が特徴です。両手両足が真っ赤に腫れることもあります。問題なのは心臓の血管にこぶができることで、これは大きな病院で精密検査を受けることになります。
食中毒O157について
最近、ステーキチェーン店で話題になりました。普通の大腸菌はだれでも腸に持っています。この良い大腸菌は腸にへばりついていて、ほかの悪い菌が侵入してきてもバリアとなり感染を防いでいます。病原性大腸菌O157はこのバリアを破り、人間の体内に侵入し感染を引き起こします。嘔吐、下痢、発熱などの症状が出ますが抗生剤投与でほとんどの場合治ります。
佐々木医院通信2009年夏号
新型インフルエンザの猛威は一段落したようですが、油断はできません。夏ころまでには収束すると思われますが、秋以降再び流行する可能性があります。再流行の際は強力型のウィルスに変異しているかもしれません。秋頃までにはワクチンもできるということですので、その時は早めに接取することをお勧めします。また、うがいや手洗いはもちろんのこと、普段から体力が落ちないよう気をつけましょう。
学校感染症について
今回は2類に分類されるものについて、その症状といつから登校、登園できるかのお話をします。
インフルエンザ
高熱、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなど(新型インフルエンザは別です)
熱が下がって、2日たってから登校可
百日咳
発熱、特有の咳(1回の咳がなかなか止まらない)
特有の咳が止まるまで
麻疹(はしか)
発熱などのかぜ症状と特有の発疹
熱が下がってから3日経過後
風疹(3日はしか)
かぜ症状と特有の発疹、リンパ腺の腫れ
発疹が消えたら流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
かぜ症状と耳下腺の腫れ(耳の下で顎の裏。片方だけの場合もある)
耳下腺の腫れが消えたら
水痘(みずぼうそう)
体幹にできる水疱が徐々に顔や頭に出現。
すべての水疱が痂皮化(かさぶた)されるまで
咽頭結膜熱(プール熱)
発熱、のどの痛み、目の結膜の発赤
すべての症状がなくなって2日たってから
結核
長引く咳と痰、微熱、だるさ
担当した医師が登校を認めてから
呼吸器の病気
肺がん
たばこが第一原因ですが、たばこと関係がない肺がんもあります。今やがん罹患率のトップとなりました。
肺結核
戦前までは死の病と言われましたが、今ではよい薬があるのでちゃんと服薬すれば治ります。結核は肺以外にも背骨に感染するとカリエスと呼ばれ、背骨を溶かし変性させます。
気管支喘息
アレルギー体質の方に多いようです。重症の場合、睡眠が取れず起座呼吸(体を起して呼吸する)となります。まず、アレルギー物質を取り除くことが大切です。特にペットの毛やハウスダストです。また、かぜを引くことによって喘息を誘発させることがあります。
肺気腫、気管支拡張症
成人で加齢とともに増加します。原因不明が多く、アレルギーが誘因とも言われています。呼吸苦や血痰などの症状です。COPD…様々な原因で呼吸苦になる病気を総称してこう言います。前に述べた肺気腫、気管支拡張症のほか、慢性気管支炎、肺線維症などです。原則的に症状を和らげる薬を使って治療しますが(対症療法といいます)完全に良くなることは残念ながらありません。あまり呼吸苦が続けば心臓に負担がかかるので、携帯用(または在宅用)の酸素を用います。
健診について
5月から横須賀市の健診が始まっています。
18歳から40歳未満の方は成人健診、40歳から75歳未満の方は特定健診、75歳以上は後期高齢者健診となります。特定健診の方だけは受診券が必要です。横須賀市国保の方は横須賀市から送られてきます。社会保険の方はそれぞれの保険組合から送られてきます。横須賀市国保は全員に受診券を送るようですが、その他の保険加入者は全員ではないとのことなので、受診券が送られてこない方はそれぞれの組合にお問い合わせください。
健診の内容は昨年と同じです。主に採血、採尿、心電図等です。今年度は特に眼底検査をお薦めします。眼底検査は動脈硬化や糖尿病の良い指標となるからです。ただし、当院では検査はできませんのでご希望の眼科にご紹介いたします。
がん検診も行っています。胃がん検診は採血法(ペプシノゲン法)またはバリウム法、大腸がん検診は便潜血法、前立腺がん検診は採血法(PSA法)、肺がん検診は胸部×線法、乳がん検診は視触診とマンモグラフィ、子宮がんは頚部細胞診で行います。
佐々木医院通信2009年春号ができました
佐々木医院通信 2009年春号
今冬は急に暖かくなったり、反対に突然寒くなったりと寒暖の差が激しい気候でした。インフルエンザが昨年に比べ大変はやりました。前半はA型で特効薬のタミフルが効かない例もありました。後半はB型で未だに患者さんが来院されます。インフルエンザは高熱と筋肉痛が主な症状ですが咳が出たり腹痛があったりと他の症状があるので注意が必要です。また、「インフルエンザの予防注射をしたのにインフルエンザになってしまった」との声も聞かれますが、人によってインフルエンザの抗体ができにくくなり、かかってしまったと思われます。しかし、予防注射をしたほうが重症にならずにすみますし、毎年予防注射をすればほとんどインフルエンザにはかかりません。
○花粉症について
今年は去年の1.5倍の花粉が飛ぶ(関東地方で)と言われています。早めの治療が重症化を防ぎます。飲み薬、点眼薬、点鼻薬があり飲み薬は1日1回の薬と1日2回の薬があります。薬の強さに差があり強いものほど眠気が強くなります。時々、「注射を打ってください」との問い合わせがありますが、当院では扱っておりません。というのは耳鼻科で扱っている減感作療法(花粉の成分を少しずつ注射する方法)は良いのですが、一般内科でもできる花粉症の注射はステロイド注射だからです。ステロイドは万能の薬とも言われていますが、(吸入薬や塗り薬はさほどではないのですが)注射薬のステロイドは副作用が多く注意が必要です。
○脈拍と不整脈について
1分間に脈拍が何回あるか測ってください。橈骨動脈(手首のところの親指側)や頸動脈を触って測りましょう。大人なら60回前後(子供はもっと多い)が理想です。毎回80回以上なら病気があると思ってください。統計をとると脈拍が60回/分が一番長生きするそうです。50回以下でしかもふらつきやめまいがある場合はペースメーカーの手術になるでしょう。続いて不整脈ですが1分間に5回以内ならまず問題ありません。多発の不整脈は治療が必要です。心電図を取りましょう。場合によっては診察時以外に不整脈が出ること(例えば夜中に)があるので1日心電図(ホルター心電図)を取ることがあります。治療は抗不整脈剤が普通ですが症状が軽い場合は精神安定剤で治ることもあります。また、全くバラバラな脈は心房細動かもしれません。これも心電図を取れば一目でわかります。心房細動は血栓ができやすく脳に飛べば脳血栓をおこします。前長嶋監督や前オシム監督がその例です。そうならないよう抗血栓薬であるワルファリンを服用することが肝心です。
○予防接種について
当院では3種混合、MR、ジフテリア、日本脳炎の予防接種の他、自費扱いのインフルエンザ、肺炎球菌、Hインフルエンザ菌(Hib)のワクチンを接取できます。今回は肺炎球菌ワクチンとHibワクチンのお話をします。
●肺炎球菌ワクチン
60歳以上の肺炎の原因がほとんど肺炎球菌という細菌によるものです。従って肺炎球菌ワクチンを接取すれば肺炎にならずに済むわけです。5年間は効果が続くと言われています。任意接種なので予約が必要です。1回6000円です。
●Hibワクチン
最近、認められたワクチンです。欧米ではすでに広く接取されています。小児の細菌性髄膜炎は死亡率が高く、この原因菌がヘモフィリスインフルエンザb菌(Hib菌)なのです。4歳までが危険な年齢なので適応ですが、できれば1歳未満から接取したほうが効果があります。やはり任意接種なので予約が必要です(2,3ヶ月に1回しか入手できないので予約後お待たせする場合があります)。1回7350円です。

